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『 探す力 〜インターネット検索の新発想〜 』の“まえがき”を、ご紹介します。
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「検索術」から「ケンサク能力」へ (『探す力』の“まえがき”)
インターネット上には毎日、約700万もの新しいWebページが誕生しているといわれています。また、米国のサイベーランス社の調査によれば、2001年1〜3月の間に、インターネット上に存在するWebページの総数は40億ページを突破するといいます。インターネット上の情報量は、まさに膨張を続けているという表現がぴったりの状況です。
インターネットが便利なのは、こうした「膨大な情報量」もさることながら、それらを自在に「検索」し、必要としている情報を短時間で入手できるところにあります。しかも、プロバイダに加入してインターネットの接続料金さえ支払えば、検索は「無料」で行えます。多くの場合、情報自体の閲覧も「無料」です。最近では、ライブドア社のような「無料プロバイダ」や、ケーブルテレビのインターネット接続サービスのように、電話代のかからない接続方法も登場してきました。インターネット上にある「膨大な情報」は、限りなく無料に近い形で利用できるようになってきているのです。
しかし、いくら無料で利用できるようになっても、残念ながら、すべての人が直ちにインターネットの恩恵を受けられるわけではありません。なぜなら、インターネットで必要な情報を思いのままに引き出してくるには、少々の「コツ」が必要だからです。この「コツ」をつかんだ人のみが、「情報エリート」としてインターネットの真の恩恵を享受できるようになります。「コツ」をつかめない人は、残念ですが、インターネットの恩恵を享受できないまま、「情報難民」としてその一生を終えることになるでしょう。これは大げさな表現ではなく、IT新世紀=21世紀初頭の現実です。
「デジタルデバイド(情報格差)」という言葉をご存じでしょうか。これは、情報技術(IT)の革命が経済に大きな効果をもたらす一方、地域や世代、所得などの違いによってコンピュータから受ける恩恵に格差が生じ、今後、格差が広がるのではないかという状況を指し示した言葉です。米国のクリントン前大統領が2000年1月末の一般教書演説で、
「成功をつかむには、コンピュータを使いこなすことが欠かせなくなった。道具を持つ人、持たない人の『デジタルデバイド』を埋めなければならない」
と強調し、日本でもこの表現が使われるようになりました。
しかし、いくら道具を持ったところで使い方を知らなければ、その格差は一向に縮まりません。パソコンはすでに低価格化が進んでおり、インターネットへの接続も限りなく無料に近づきつつあります。それでも、インターネットを使いこなす「コツ」をつかむことができなければ、結局のところ、デジタルデバイドの問題は一つも解決されないのです。
この本では、インターネットを使いこなす「コツ」、つまり無料でアクセスできる膨大な情報源であるインターネットの中から、欲しい情報を上手に取り出してくる「コツ」を、ケンサク能力<と呼ぶことにしました。あえて「ケンサク」とカタカナにしているのは、一般にいわれる「検索術」との違いを理解していただきたいためです。
「検索術」についての本は、すでにいくつか良書が存在しています。これらは、「検索エンジン」と呼ばれる検索サイトの利用のしかたにフォーカスを当てたものです。たとえば、キーワード検索で使う「AND」や「OR」といった論理記号の意味から始まって、達人的な検索エンジン利用の裏ワザ、テクニックが詳しく解説されています。
こうした検索術は、ケンサク能力を高めていくうえでも必要な知識であり、本書でも一部触れています。しかし本書では、それよりも「検索」という行為そのものについての「本質的な理解」を重視し、そこから実践的な知識やテクニックを学んでいく方法をとりました。「本質的な理解」をベースにして初めて、さまざまな「応用」ができるようになると考えたからです。
「本質的な理解」というと少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、そのような心配は無用です。本質というのは、いたってシンプルなものです。しかしながら、そうした平易でシンプルな考え方を積み重ねていくことで、どんな課題に遭遇しても自分自身で解決できる力−−「ケンサク能力」が身についていくものだと考えています。
かつては、「読み、書き、ソロバン」が社会人としての必須能力といわれました。ITの新世紀である二一世紀は、誰もがインターネットを通じて膨大な情報にアクセスできる時代です。こうした時代に生きる人々の必須能力は、「読み、書き、ケンサク」ということになると思います。
世の中は「勝ち組」「負け組」といった、ドライな二極化の様相を見せ始めています。こうした流れの中では「ケンサク能力」こそが、この二つを分かつ分水嶺になるはずです。
本書を読むことで、「ケンサク能力」をきちんとモノにし、デジタルデバイドなどに縁のない「勝ち組」の情報生活を満喫していただければ幸甚です。
2001年2月
原野守弘
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